アルトナー(2163)投資分析レポート 2026
アルトナーは、ソフトウェア・電気電子・機械の設計開発分野に強みを持つ技術者派遣・請負企業です。自動車や半導体製造装置向けの旺盛な研究開発需要を取り込みながら、高い稼働率と単価上昇で利益率を維持しており、高配当と成長の両立を狙える人材サービス株として注目されます。
まず押さえたい投資ポイント
会社概要:研究開発・設計開発に強い技術者集団
[アルトナー](https://www.artner.co.jp/)は1962年設立の技術者派遣・請負会社で、東京証券取引所プライム市場に上場しています。事業領域はソフトウェア、電気・電子、機械の3分野で、基礎研究、設計開発、開発周辺業務までをカバーしています。2026年1月31日現在の連結従業員数は1,623人、単体では1,474人で、取引実績は約1,500社にのぼります。 [Source](https://www.artner.co.jp/company/about-us/)
- 証券コード:2163
- 上場市場:東京証券取引所プライム市場
- 設立:1962年9月18日
- 代表取締役社長:関口 相三
- 本社:東京本社(横浜市港北区)/大阪本社(大阪市北区)
- 事業内容:ソフトウェア・電気電子・機械分野の研究開発・設計開発・周辺業務
株価・指標スナップショット
- 株価:1,930円
- 時価総額:205.23億円
- 発行済株式数:10,627,920株
- 予想配当:86.00円
- 予想配当利回り:4.45%
- 予想PER:16.44倍
- PBR:3.93倍
- EPS:117.45円
- BPS:491.56円
- ROE:24.09%
- 自己資本比率:57.7%
- 最低投資金額:約19.3万円
Yahoo!ファイナンス取得値。株価指標は取得時点のスナップショットです。 [Source](https://finance.yahoo.co.jp/quote/2163.T)
投資ストーリー:自動車・半導体向け研究開発需要の追い風を享受
アルトナーの投資妙味は、単なる人材派遣ではなく、研究開発・設計開発という上流工程に強いことです。2026年1月期は、自動車関連メーカーと半導体製造装置メーカーからの技術者要請が旺盛で、高稼働率と技術者単価の上昇が利益を押し上げました。さらに請負・受託比率も上昇しており、派遣単価だけに頼らない収益構造へ進んでいる点も評価材料です。 [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2026_q4_supplementation.pdf)
2026年1月期決算:連結ベースで売上高120.46億円
| 項目 | 2026年1月期 連結実績 |
|---|---|
| 売上高 | 12,046百万円 |
| 営業利益 | 1,821百万円 |
| 経常利益 | 1,823百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,258百万円 |
| 営業利益率 | 15.1% |
2026年1月期は第3四半期から連結決算へ移行したため単純比較には注意が必要ですが、連結ベースでは売上高120.46億円、営業利益18.21億円、経常利益18.23億円、親会社株主に帰属する当期純利益12.58億円を確保しました。クリップソフトの売上高92百万円も取り込みつつ、M&A手数料やのれん償却費を吸収して営業利益率15.1%を維持しています。 [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2026_q4_supplementation.pdf)
本体ベースでは増収増益が続く
| 項目 | 2025年1月期 単体 | 2026年1月期 単体 |
|---|---|---|
| 売上高 | 11,125百万円 | 11,954百万円 |
| 営業利益 | 1,810百万円 | 1,952百万円 |
| 経常利益 | 1,821百万円 | 1,954百万円 |
| 当期純利益 | 1,260百万円 | 1,398百万円 |
本業の実力をみるうえでは単体数値が分かりやすく、2026年1月期単体は売上高が前期比7.4%増、営業利益が同7.9%増、経常利益が同7.3%増、当期純利益が同10.9%増でした。採用関連投資やIT・DX投資、研修設備投資が増えてもなお増益を確保しており、収益力の高さがうかがえます。 [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2026_q4_supplementation.pdf)
事業別の見どころ:請負・受託比率が上昇
| 事業 | 2026年1月期 単体売上高 | 構成比 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 技術者派遣 | 10,343百万円 | 86.5% | +5.6% |
| 請負・受託 | 1,557百万円 | 13.0% | +20.6% |
| その他 | 53百万円 | 0.4% | +31.0% |
主力は技術者派遣ですが、注目すべきは請負・受託の伸びです。請負・受託売上高は15.57億円で前年同期比20.6%増、構成比は13.0%へ上昇しました。顧客ニーズに応じて派遣から請負・受託へ切り替える動きもあり、将来的に付加価値の高い案件比率が上がれば、利益率の安定化につながる可能性があります。 [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2026_q4_supplementation.pdf)
技術領域別ではエンベデッド・ITが成長
技術領域別売上高では、エンベデッド・モデルベースが40.87億円で前年同期比13.1%増、ITソリューションが12.61億円で同13.7%増と高い伸びを示しました。電気・電子と機械も堅調で、幅広い技術分野に対応できる体制が需要吸収力の強さにつながっています。技術者数も2026年1月期末で1,315人と前期末比5.1%増となりました。 [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2026_q4_supplementation.pdf)
投資家が注目したい数字
- 期末技術者数:1,315人(前期末比 +5.1%)
- 平均稼働率:98.1%
- 平均技術者単価:4,713円/時間(前期比 +4.9%)
主要顧客と業種分散
売上高上位顧客には本田技研工業、本田技術研究所、ニコン、レーザーテック、Astemo、ボッシュ、住友電気工業、テルモ、東京エレクトロン宮城、日本電子などが並びます。業種別では輸送用機器が44.3%、電気機器が24.9%、精密機器が8.3%、情報・通信が10.7%で、特定業種偏重ではあるものの、研究開発投資の厚い分野に集中しているのが特徴です。 [Source](https://www.artner.co.jp/company/about-us/) [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2026_q4_supplementation.pdf)
2027年1月期会社予想:M&A込みで増収増益継続
| 項目 | 2027年1月期 連結予想 |
|---|---|
| 売上高 | 14,021百万円 |
| 営業利益 | 2,017百万円 |
| 経常利益 | 2,001百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,248百万円 |
| 年間配当予想 | 86.00円 |
2027年1月期は、連結売上高140.21億円、営業利益20.17億円、経常利益20.01億円を計画しています。純利益は12.48億円と微減予想ですが、これはM&A後の構成変化などを含んだ保守的な見立てとも読めます。クリップソフトに加え情報技研の業績も織り込む見通しで、総合技術サービス会社への進化を一歩進める期になりそうです。 [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2026_q4_supplementation.pdf) [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2026_q3.pdf)
中期経営計画:2030年1月期に売上高187億円を目指す
中期経営計画(2026年1月期〜2030年1月期)では、「持続的成長および次世代成長のための基盤を構築する」を基本方針に掲げています。2030年1月期の数値目標は、売上高187億円、営業利益率16.0%、技術者数2,100人、EPS195円です。年平均成長率(CAGR)約10%で技術者を増やし、ハイエンド領域の比率拡大やM&A・アライアンスを通じて総合技術サービス会社への進化を狙っています。 [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2025_Medium-Term%20Business%20Plan.pdf)
中計の注目点
- 技術者派遣のハイエンド領域比率を36%→50%へ
- 請負・受託の人員比率を30%へ拡大
- M&A・アライアンスで新たな収益機会を創出
- 中計期間の株主還元は累計50億円を想定
株主還元:高配当路線が魅力
アルトナーは、配当性向50%をベースに検討しつつ、「前年割れのない右肩上がりの配当額」を基本方針としています。2027年1月期予想は年間86円で、2026年1月期84円からの増配計画です。実現すれば12期連続の増配となり、高配当株としての存在感はさらに高まります。 [Source](https://www.artner.co.jp/ir/stock/dividend/) [Source](https://finance.yahoo.co.jp/quote/2163.T/dividend)
株主優待はある?
株主優待は実施していません。会社側も「株主配当による株主還元を基本方針としており、株主優待は実施しておりません」と明記しています。したがって、この銘柄の魅力は優待ではなく、増配基調の配当と業績成長にあります。 [Source](https://www.artner.co.jp/ir/stock/dividend/) [Source](https://finance.yahoo.co.jp/quote/2163.T/incentive)
投資家視点の強み
- 高収益:営業利益率15%台を安定維持
- 高ROE:ROE24%台で資本効率が高い
- 高配当:予想利回り4%台半ば
- 需要追い風:自動車・半導体向け研究開発需要が旺盛
- 成長余地:M&A、請負拡大、ハイエンド人材比率上昇
注意したいリスク
- 景気減速時に顧客企業の研究開発投資が鈍るリスク
- 技術者採用競争の激化による人件費上昇
- M&A後の統合コストやのれん負担
- 自動車・半導体関連への需要偏重
- 高配当維持で成長投資余力に制約が出る可能性
総評:高配当の技術者派遣株から、総合技術サービス会社へ
自動車や半導体の開発投資が続く限り、同社の人材需要は強く、稼働率と単価の両面で優位性を保ちやすい構図です。そこに請負・受託比率の上昇、M&Aによるサービス領域拡大が加われば、単なる派遣会社よりも一段高い評価につながる余地があります。高配当を享受しながら中期成長も追いたい投資家に向く銘柄です。 [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2026_q4_supplementation.pdf) [Source](https://www.artner.co.jp/asset-ir/download_file/2025_Medium-Term%20Business%20Plan.pdf)

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