ゼンショーホールディングス
企業概要・基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | 株式会社ゼンショーホールディングス |
| 英語名 | ZENSHO Holdings Co., Ltd. |
| 証券コード | 7550(東証プライム・小売業) |
| 設立 | 1982年6月 |
| 本社所在地 | 東京都港区港南 |
| 代表者 | 代表取締役会長兼社長 小川 賢太郎 |
| 決算期 | 3月期 |
| 売上高(FY2025) | 1兆1,366億84百万円 |
| グループ店舗数 | 15,419店舗(2025年3月末) |
| 主要ブランド | すき家・はま寿司・ロッテリア・ ococos・なか卯・ジョリーパスタ 他 |
| 事業の4本柱 | 国内外食・海外外食・小売・介護 |
ゼンショーホールディングスは「食を通じて、人類社会の安定と発展に責任をおう」という創業理念のもと、1982年に設立。すき家・はま寿司を核に、国内外16以上のブランドを展開し、国内外食業界では売上高・店舗数ともに最大規模のグループを形成している。
ビジネスモデル・グループブランド
ゼンショーグループは「グローバル・マス・マーチャンダイジング(MMD)」という独自の食のインフラ戦略を核に、原材料調達→製造→物流→販売まで一気通貫で管理することでコスト競争力と品質を両立させています。
◆ 主要グループブランド(国内外食)
牛丼・定食
回転寿司
ハンバーガー
丼・うどん
パスタ
ファミリーレストラン
ステーキ
焼肉
弁当・惣菜
メキシカン
イタリアン
寿司・海鮮
◆ 事業セグメントの4本柱
すき家・はま寿司・ロッテリア等の国内主要ブランドによる事業。国内約5,000店舗規模を誇り、グループ収益の主軸。
「すき家」のグローバル展開を軸に、テイクアウト寿司(To-Go Sushi)を含む海外ブランドを展開。FY2025末時点で海外約10,000店超。北米・オセアニア・アジア・中南米に展開。
食品製造・販売事業。グループの食材調達機能とシナジーを発揮し、スーパー・CVS向け食品を供給。
食を軸とした高齢者向けサービス。外食グループの強みを活かした多角化事業。
グローバルMMD戦略の優位性:畜産・水産・農産・加工品の全段階でグローバルサプライチェーンを構築。原材料を大量一括調達することで国内外のコスト競争力を維持し、品質標準化も実現している。FY2028目標では外食売上高に占める海外比率を現在の約30%から68.4%へ大幅拡大する計画。
株価指標・バリュエーション
| 指標 | 数値 | コメント |
|---|---|---|
| 株価 | ¥9,559 | 2026年3月13日終値 |
| 時価総額 | 約1兆6,998億円 | 外食業界最大級 |
| PER(FY2026会社予想) | 35.5倍 | EPS ¥261.28(会社予想) |
| PER(FY2026アナリスト予想) | 33.9倍 | EPS ¥281.67(アナリスト平均) |
| PBR | 6.7倍 | BPS ¥1,532.33(FY2025) |
| ROE(FY2025) | 17.3% | 高収益性を示す |
| ROA | 4.0% | 総資産活用効率 |
| 自己資本比率 | 29.5% | FY2021の21.5%から改善 |
| 配当利回り(予想) | 0.73% | 年間¥70(FY2026会社予想) |
| EPS(FY2025) | ¥250.79 | 5年で約17倍に成長 |
| 最低投資額(100株) | 約95.6万円 | 株価9,559円×100株 |
バリュエーション評価:PBR6.7倍・PER35倍超と割高に見えるが、FY2025からFY2028にかけてEPS約1.5倍(¥386目標)への増益シナリオに沿って評価されている。アナリスト目標株価(平均¥11,133)は現状比+16%のアップサイドを示す。
業績推移(FY2021〜FY2026予想)
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | EPS(円) | BPS(円) |
|---|---|---|---|---|---|
| FY2021(2021/3) | 6,027億円 | 121億円 | 22.6億円 | ¥14.81 | ¥560.87 |
| FY2022(2022/3) | 6,622億円 | 92.3億円 | 139億円 | ¥91.17 | ¥679.18 |
| FY2023(2023/3) | 7,799億円 | 217億円 | 133億円 | ¥87.30 | ¥761.63 |
| FY2024(2024/3) | 9,657億円 | 537億円 | 307億円 | ¥200.72 | ¥1,368.42 |
| FY2025(2025/3) | 1兆1,366億円 | 751億円 | 393億円 | ¥250.79 | ¥1,532.33 |
| FY2026予(2026/3)会社予想 | 1兆2,235億円 | 820億円 | 425億円 | ¥261.28 | — |
成長の加速:売上高はFY2021比+89%(6,027億→1兆1,366億)、営業利益はFY2021比+521%(121億→751億)と驚異的な成長。特にFY2024〜FY2025の2年間で営業利益が537億→751億(+40%)と急拡大。3Q累計(2025年4〜12月)では前年比+10.6%の増収・+4.9%の増益を達成している。
◆ 利益率の推移
配当政策・配当推移
◆ 配当金推移(円/株)
| 年度 | 年間配当(円) | 配当性向 | 備考 |
|---|---|---|---|
| FY2021(2021/3) | ¥20 | 135.0% | 特別要因(純利益低水準) |
| FY2022(2022/3) | ¥22 | 24.1% | 業績回復 |
| FY2023(2023/3) | ¥24 | 27.5% | 増配 |
| FY2024(2024/3) | ¥50 | 25.6% | 大幅増配 |
| FY2025(2025/3) | ¥70 | 29.1% | 大幅増配 |
| FY2026予(2026/3) | ¥70(予) | 26.8% | 前期比維持 |
| FY2028目標 | ¥116(目標) | 30.0% | 中期計画目標 |
配当方針:中期経営計画では配当性向30%を目標に設定。FY2028目標EPS¥386に対して配当¥116が計画されており、現在の¥70から+65%の大幅増配見込み。業績成長に連動した累進配当路線を維持している。
株主優待制度
ゼンショーホールディングスの株主優待は、グループ全店舗(すき家・はま寿司・ロッテリア等16業態)で使える食事割引券(1枚500円)が年2回贈呈されます。権利確定月は3月末・9月末。
◆ 保有株数別 優待内容
| 保有株数 | 年間優待額(合計) | 最低投資額の目安 | 内訳(年2回) |
|---|---|---|---|
| 100株以上 | 2,000円相当 | 約95.6万円 | 500円券×2枚 × 2回 |
| 300株以上 | 6,000円相当 | 約286.8万円 | 500円券×6枚 × 2回 |
| 500株以上 | 12,000円相当 | 約477.9万円 | 500円券×12枚 × 2回 |
| 1,000株以上 | 24,000円相当 | 約955.9万円 | 500円券×24枚 × 2回 |
| 5,000株以上 | 60,000円相当 | 約4,779.5万円 | 500円券×60枚 × 2回 |
◆ 優待利用可能店舗(一部)
代替品交換制度あり:300株以上の株主は、最新の未使用優待券(3,000円分1冊)を定められた期間内に返送することで、自社取扱製品などの代替品と交換可能(詳細は公式サイト参照)。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 権利確定日 | 3月末・9月末(年2回) |
| 発送時期 | 3月末確定→6月頃発送、9月末確定→12月頃発送 |
| 優待利回り(100株) | 約0.21%(2,000円÷955,900円) |
| 配当+優待総合利回り | 約0.94%(¥70配当+¥20優待÷¥9,559) |
| 最低取得費用 | 955,900円(100株×9,559円) |
財務状況・財務健全性
◆ 財務指標推移
| 年度 | 自己資本比率 | ROE | BPS(円) | EPS(円) |
|---|---|---|---|---|
| FY2021 | 21.5% | 2.6% | ¥560.87 | ¥14.81 |
| FY2022 | 24.2% | 13.4% | ¥679.18 | ¥91.17 |
| FY2023 | 24.6% | 11.5% | ¥761.63 | ¥87.30 |
| FY2024 | 28.7% | 14.7% | ¥1,368.42 | ¥200.72 |
| FY2025 | 29.5% | 17.3% | ¥1,532.33 | ¥250.79 |
財務改善の軌跡:FY2021のコロナ禍低水準(ROE2.6%、自己資本比率21.5%)からわずか4年でROE17.3%、自己資本比率29.5%へ急改善。BPSもFY2021の¥560から¥1,532へ2.7倍成長。積極的な海外投資を続けながらも収益性が大幅向上している。
有利子負債:約3,000億円の有利子負債を抱えるが、営業CF(FY2028目標:1,226億円)の増加で返済能力は着実に向上。また、2025年8月には種類株式(社債型)を発行した資本政策の実績もある。
中期経営計画(〜FY2028)
ゼンショーHDは2028年3月期(FY2028)を最終年度とする中期経営計画を推進中。「世界のフード業におけるリーディングカンパニー」を目指し、海外外食売上比率68%超を目標とするグローバル成長戦略を掲げている。
◆ 数値目標(FY2028)
◆ 年度別 店舗数・売上目標
| 年度 | 売上高目標 | 営業利益目標 | 純利益目標 | 店舗数目標 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025(実績) | 1兆1,366億円 | 751億円 | 393億円 | 15,419店 |
| FY2026(会社予想) | 1兆2,235億円 | 820億円 | 425億円 | 16,404店 |
| FY2027(計画) | 1兆3,500億円 | — | — | 17,507店 |
| FY2028(目標) | 1兆4,810億円 | 1,165億円 | 629億円 | 18,729店 |
◆ 重点戦略
海外すき家・海外はま寿司の出店推進、テイクアウト寿司(To-Go Sushi)の北米・欧州・オセアニア拡大。海外店舗数を10,521店→13,362店へ。
店舗運営・マーチャンダイジング全段階でのAI活用。生産性向上と人手不足対応を両立。
畜産・水産・農産・加工品の全分野でグローバルサプライチェーンを強化。競争力の源泉であるコスト優位性を拡大。
北米を中心に急成長中。FY2028では海外外食売上の大きな柱となる計画。
投資の魅力(強み)
すき家・はま寿司・ロッテリア等16以上のブランドを擁し、あらゆる客層・価格帯に対応。15,419店舗のグループ規模が持つ調達コストの優位性(MMD)は模倣困難な競争優位。
海外外食売上をFY2025の約30%からFY2028に68%超へ拡大する計画。テイクアウト寿司(北米・欧州・オセアニア)は急成長中で、今後の主力収益源となる可能性。
営業利益率がFY2021の2.0%→FY2025の6.6%→FY2028目標7.9%へと持続的に改善。コスト管理と収益改善の実績がある。
配当はFY2021の¥20からFY2025には¥70と3.5倍に成長。FY2028には¥116(現在比+65%)を目標として掲げており、業績連動型の配当成長が期待できる。
すき家・はま寿司等、日常的に利用できる店舗での食事割引券(年2回)。外食频度の高い投資家には高い実質利回りが期待できる。
リスク分析
株価はすでにFY2028の高成長シナリオを織り込んだ水準。業績が計画を下回った場合、株価の大幅調整リスクがある。
積極的なグローバル出店戦略を背景に有利子負債が高水準。金利上昇局面では財務費用増加と自己資本比率低下のリスクがある。
牛肉・水産物等の食材費は円安・海外需要増で高止まり傾向。国内外の最低賃金上昇が続く中、外食業態の利益率圧迫は中長期的な課題。
海外事業比率が高まるにつれて円高時の収益影響が拡大。FY2028には海外売上68%超を目指すため、為替感応度が高くなる。
各国の規制・文化・競合状況が異なる中でのブランド展開にはリスクが伴う。海外のれん減損リスクや撤退コストも念頭に置く必要がある。
大手外食チェーンの新規出店や食材宅配(デリバリー)サービスとの競合が続く。人手不足による営業時間短縮・閉店リスクも排除できない。
業界動向・競合比較
日本の外食業界は人手不足・物価高・デリバリー台頭という構造変化の中にある。大手チェーンの競合状況とゼンショーの位置づけを整理する。
| 企業名 | 売上高(概算) | 時価総額 | 主要ブランド | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ゼンショーHD(7550) | 1兆1,366億円 | 約1.7兆円 | すき家・はま寿司他 | 業界最大規模 |
| 日本マクドナルドHD(2702) | 約4,166億円 | 約1.4兆円 | マクドナルド | 安定型 |
| トリドールHD(3397) | 約2,682億円 | 約3,800億円 | 丸亀製麺他 | 海外高成長 |
| すかいらーくHD(3197) | 約3,800億円 | 約3,500億円 | ガスト・バーミヤン他 | 国内安定 |
◆ 業界のキートレンド
アナリスト評価・市場コンセンサス
| 証券会社 | レーティング | 目標株価 | 日付 |
|---|---|---|---|
| 日系大手証券 | やや強気 | ¥11,000 | 2026/02/18 |
| 米系大手証券 | 強気 | ¥11,000超 | 2026/02/18 |
| コンセンサス平均 | 買い | ¥11,133 | 2026/03/14 |
アナリスト業績予想(FY2026)は、売上高¥1,245,750百万(会社予想¥1,223,500百万)、純利益¥45,150百万(会社予想¥42,500百万)と会社予想を上回る強気の見通し。3Q累計の進捗率(純利益83.5%)も高く、会社計画の上振れ期待が高まっている。
投資判断サマリー
✅ 投資の魅力(ポジティブ要因)
- 国内外食業界最大規模・圧倒的なブランド網
- グローバルMMD戦略による持続的コスト優位
- 海外外食事業の高成長(FY2028に売上68%目標)
- 営業利益率の持続的改善(2%→7%超へ)
- 業績連動の増配継続(FY2028 ¥116目標)
- アナリスト平均目標株価¥11,133(+16%)
- グループ全店で使える実用的な株主優待
⚠️ 注意点(ネガティブ要因)
- 高バリュエーション(PBR6.7倍・PER35倍)
- 有利子負債約3,000億円・自己資本比率29.5%
- 食材費・人件費の構造的上昇圧力
- 海外展開の不確実性・のれん減損リスク
- 円高進行時の海外事業収益への影響
- 配当利回り0.73%と低水準
総合評価
ゼンショーHDは「すき家・はま寿司」を核にした国内外食業界最大規模のグループとして、グローバルMMD戦略と海外展開加速により持続的な成長を続けている。FY2028にかけてEPS¥386・配当¥116・店舗数18,729店を目標とするロードマップは説得力があり、アナリストも概ね強気。ただしPBR6.7倍・PER35倍超という高バリュエーション、有利子負債3,000億円、為替リスクは相応のリスク要因。
短期:割高感から調整リスクあり/中長期:グローバル成長ストーリーに賭けるには魅力的な銘柄
| KPIサマリー(2026年3月14日時点) | |
|---|---|
| 株価 | ¥9,559 |
| 時価総額 | 約1兆6,998億円 |
| PER(FY2026会社予想) | 35.5倍 |
| PBR | 6.7倍 |
| ROE(FY2025) | 17.3% |
| 自己資本比率 | 29.5% |
| 配当(FY2026予想) | ¥70(利回り0.73%) |
| 株主優待(100株) | 年間2,000円相当(食事割引券) |
| アナリスト目標株価(平均) | ¥11,133(+16.5%) |
| FY2028目標 売上高 | 1兆4,810億円 |
| FY2028目標 EPS | ¥386 |
| FY2028目標 配当 | ¥116 |
免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の証券の購入・売却を勧誘するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。株式投資には価格変動リスクが伴い、元本が保証されるものではありません。

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