コーセーアールイー(3246)投資分析レポート 2026
🏢 東証スタンダード | コード 3246
コーセーアールイー
投資分析レポート 2026
福岡発・グランフォーレブランドの不動産デベロッパー | PBR0.62倍の割安感 | 総合利回り4.44%
株価(2026/3/13)
651円
東証スタンダード
総合利回り
4.44%
配当3.69%+優待0.76%
① 会社概要・事業内容
📋 基本情報
証券コード3246(東証スタンダード)
会社名株式会社コーセーアールイー
本社所在地福岡県福岡市
設立1987年
主力ブランドグランフォーレ(GranForet)
発行済株式数1,036.8万株
決算期1月末
💼 事業セグメント
新築居住型マンション事業グランフォーレシリーズ(福岡・首都圏)
資産運用型マンション事業投資用ワンルーム等の販売
中古流通事業中古マンション買取・仲介
賃貸管理事業自社物件含む管理・空室対策
開発・建築事業設計・施工・建設管理
ビルメンテナンス事業工事請負・設備管理
🏙️ 事業の特長:福岡No.1デベロッパーを目指す「グランフォーレ」ブランド
コーセーアールイーは福岡都市圏を地盤とするマンション分譲の専業デベロッパー。主力の「グランフォーレ」シリーズは、高品質・高付加価値の分譲マンションブランドとして福岡圏での知名度を確立。近年は首都圏にも展開を拡大している。また、資産運用型マンションや賃貸管理・中古流通など複合的な不動産サービスを展開し、収益の安定化を図る多角化戦略を推進中。中期目標として「福岡No.1デベロッパー」を掲げ、2030年を見据えた持続可能なまちづくりに取り組む。
福岡・九州地盤
グランフォーレブランド
マンション専業デベロッパー
PBR 0.62倍(解散価値割れ)
総合利回り 4.44%
東証スタンダード
② 現在の株価・バリュエーション
株価(2026/3/13)
651円
年初来高値785円(25/1)
PER(FY2027予想)
15.0倍
EPS 43.3円
PBR(実績)
0.62倍
BPS 1,049円に対し大幅割安
ROE(FY2026実績)
6.53%
目標:7%以上
📊 主要バリュエーション指標
時価総額67.5億円
株価651円(3/13)
BPS(実績)1,049.57円
EPS(FY2026実績)68.5円
EPS(FY2027予想)43.3円
配当利回り(予想)3.69%
総合利回り(配当+優待)4.44%
発行済株数1,036.8万株
💡 PBR割安の意味と注目点
BPS(純資産/株)1,049.57円
株価651円(BPS比▲38%)
解散価値比PBR 0.62倍は「超割安」
PBR1倍回復時の株価1,050円(+61%余地)
中期計画PBR目標1.0倍以上を目指す
割安の主因ROE低水準・業績変動大
🔑 PBR 0.62倍の投資機会:「解散価値割れ」銘柄の見方
現在の株価651円に対し、BPS(1株純資産)は1,050円。株式市場はコーセーアールイーに対し、保有純資産の62%の価値しか認めていない状態。これは「解散すれば今の株価より高い価値」を意味する。不動産業は仕入れサイクルによる業績変動が大きく、現在のROE(6.5%)が資本コスト(5%)を上回る水準にあることも注目ポイント。中期計画でPBR1倍回復を目指すROE改善・増益路線が実現すれば、株価上昇余地は大きい。
③ 業績推移(FY2022〜FY2027予想)
| 決算期 |
売上高(百万円) |
営業利益(百万円) |
経常利益(百万円) |
純利益(百万円) |
EPS(円) |
BPS(円) |
自己資本比率 |
ROE |
| FY2022(2022/1) |
11,288 |
1,141 |
1,270 |
880 |
86.6 |
820.1 |
47.8% |
10.6% |
| FY2023(2023/1) |
10,995 |
1,630 |
1,843 |
1,259 |
124.1 |
919.2 |
60.3% |
13.5% |
| FY2024(2024/1) |
10,162 |
1,618 |
1,829 |
1,262 |
124.3 |
1,007.5 |
69.7% |
12.3% |
| FY2025(2025/1)★落込み |
7,648 |
321 |
501 |
341 |
33.6 |
1,005.1 |
60.0% |
3.3% |
| FY2026(2026/1)★V字回復 |
10,045 |
768 |
982 |
695 |
68.5 |
1,049.6 |
53.9% |
6.5% |
| FY2027予想(2027/1)★会社計画 |
10,350 |
545 |
664 |
440 |
43.3 |
— |
— |
— |
※FY2025は仕入サイクルの谷間に相当。★FY2027は会社予想(減益見通し)。
📌 FY2025の大幅落込みとFY2026のV字回復
マンション分譲業は物件完成・引き渡しのタイミングにより業績が大きく変動する。FY2025(2025年1月期)は仕入サイクルの谷間に該当し、売上高が前年比▲24.7%・営業利益が▲80.2%と急落。しかしFY2026(2026年1月期)は279戸の引き渡しが完了し、売上高+31.3%・営業利益+138.9%のV字回復を達成。この業績変動の大きさが投資家のリスク認識を高め、PBR0.62倍という低バリュエーションの一因となっている。
④ 収益性分析
営業利益率(FY2026)
7.6%
FY2023〜2024ピーク:15-16%
ROE(FY2026)
6.53%
目標: 7%以上
ROA(FY2026)
3.52%
目標: 3%超を維持
純利益率(FY2026)
6.9%
利益率は底打ち・回復中
📈 ROE・ROA推移
ROE FY202210.56%
ROE FY202313.50%(ピーク)
ROE FY202412.34%
ROE FY20253.34%(急落)
ROE FY20266.53%(回復中)
ROE 中期目標7%以上
💰 利益率推移
営業利益率 FY202210.1%
営業利益率 FY2023〜202414.8〜15.9%(高水準)
営業利益率 FY20254.2%(急落)
営業利益率 FY20267.6%(回復)
営業利益率 FY2027予想5.3%(一時的低下)
純利益率 FY20266.9%
⚠️ FY2027予想:一時的な減益サイクル
FY2027(2027/1期)会社予想は売上高10,350百万円(前期比+3.0%)と増収ながら、営業利益545百万円(▲29.0%)、純利益440百万円(▲36.7%)と大幅減益。これはマンション分譲業特有の「物件引き渡し時期のズレ」による一時的要因であり、中期計画では2028年以降に回復・増益を計画。FY2026のV字回復後に一旦落ち込むパターンで、長期目線での評価が重要。
⑤ 財務健全性・バランスシート
自己資本比率(FY2026)
53.9%
不動産業平均を上回る
有利子負債(FY2026)
72.5億円
FY2024: 30.3億(低水準)
BPS(FY2026)
1,049円
株価651円より60%高い
財務レバレッジ(FY2026)
1.76倍
適度な水準
📊 有利子負債推移(億円)
FY202273.3億円
FY202343.1億円(削減)
FY202430.3億円(最低水準)
FY202551.3億円(仕入拡大)
FY202672.5億円(増加)
📊 自己資本比率推移
FY202247.8%
FY202360.3%
FY202469.7%(ピーク)
FY202560.0%(仕入拡大影響)
FY202653.9%(依然高水準)
🔍 財務健全性の評価
自己資本比率53.9%は不動産業の平均(30〜40%程度)を大幅に上回っており、財務の堅牢性は高い。有利子負債は仕入サイクルに応じて変動するが、FY2026時点の72.5億円は自己資本(約108億円)に対して比較的低い水準。中期計画では引き続き「健全な財務体質の維持」を方針としており、過度なレバレッジを避けた堅実経営を志向している。
⑥ 配当・株主還元
配当利回り(FY2027予想 24円)
最低投資額65,100円で年間配当2,400円
📈 配当推移(1株当たり・円)
FY2022(2022/1期)25円
FY2023(2023/1期)36円(増配)
FY2024(2024/1期)36円(維持)
FY2025(2025/1期)24円(減配)
FY2026(2026/1期)24円(維持)
FY2027予想(2027/1期)24円(維持見込み)
💡 配当政策の特徴
配当性向(FY2026)約35%
配当方針安定配当を基本方針
業績連動性一定程度あり(FY2025で減配)
配当利回り(予想)3.69%
総合利回り4.44%(配当+優待込み)
最低投資額65,100円(100株)
⑦ 株主優待
🎁 株主優待内容(QUOカード)
優待品QUOカード(金券)
権利確定月毎年1月末
継続保有条件1年以上継続保有が必須
100株(6.5万円〜)500円相当
200株(13万円〜)1,000円相当
500株(32.6万円〜)2,000円相当
1,000株(65.1万円〜)3,000円相当
2,000株(130万円〜)5,000円相当
💹 優待・配当利回り試算(100株保有)
必要投資額(100株)65,100円
年間配当(100株)2,400円
年間優待(100株)500円(QUOカード)
合計年間リターン2,900円
配当利回り3.69%
優待利回り0.76%
総合利回り4.44%
🎫 QUOカード優待の特徴:継続保有条件に注意
優待品はコンビニ・書店・ガソリンスタンドなど全国各地で幅広く使えるQUOカード。実用性が高く換金性も準じた優待品として人気が高い。ただし「1年以上の継続保有」が条件であるため、優待を目的とした短期売買には使えない。長期保有投資家向けの銘柄設計となっており、配当(3.69%)と優待(0.76%)合わせた総合利回り4.44%は魅力的な水準。
⑧ 成長ドライバー
🏙️ ① 福岡都市圏の人口流入・マンション需要
福岡市は国内有数の人口増加都市であり、マンション需要が旺盛。特に中心部(天神・博多・警固など)や西部(姪浜・早良区等)での高付加価値マンション需要は堅調。グランフォーレブランドは福岡市民の認知度が高く、ブランド維持による価格競争力の優位性がある。
🗼 ② 首都圏への展開拡大
福岡地盤から首都圏(東京・神奈川等)への展開を加速。首都圏の物件供給は価格帯・利益率ともに高水準で期待できる。地方デベロッパーが首都圏で展開を広げることにより、業績規模の拡大と収益の多様化が実現する。
🔄 ③ 資産運用型・賃貸管理によるストック収益強化
マンション分譲に加え、資産運用型マンション(投資用物件)の拡販と賃貸管理戸数の増加により、景気サイクルに左右されにくいストック型の安定収益を確保する。管理戸数増加は長期的な収益の底上げに貢献。
📱 ④ 中古流通・仲介事業の収益多様化
中古マンションの買取・再販・仲介を強化し、フロー(新築販売)に依存しない収益ポートフォリオを構築。中古住宅市場は国内政策でも拡大方向にあり、特に福岡のブランド物件(グランフォーレ中古)は再販価値が高い。
⑨ 中期経営計画2026(FY2027〜FY2029)
📅
計画期間
FY2027〜FY2029
2026年3月12日公表
🎯
FY2029売上目標
110億円
FY2026実績比 +9.5%
📊
FY2029営業利益目標
7.5億円
FY2026実績 7.68億円
| 決算期 |
売上高(億円) |
営業利益(億円) |
経常利益(億円) |
純利益(億円) |
EPS(円) |
備考 |
| FY2026実績(2026/1) |
100.5 |
7.68 |
9.82 |
6.95 |
68.5 |
V字回復 |
| FY2027(2027/1)会社予想 |
103.5 |
5.45 |
6.64 |
4.40 |
43.3 |
一時的減益 |
| FY2028(2028/1)中計目標 |
105.0 |
7.0 |
— |
— |
— |
中期目標 |
| FY2029(2029/1)中計目標 |
110.0 |
7.5 |
— |
— |
— |
計画最終年 |
🏠 中計の重点戦略
ビジョン福岡No.1デベロッパーへ
ブランド強化グランフォーレの品質向上
仕入戦略慎重な仕入・収益確保プロジェクト優先
資産運用型販売商品多様化・顧客拡大
賃貸管理空室率3%台維持・管理戸数増加
仲介・中古買取事業の強化
📈 中計の財務目標
ROE目標7%以上(最終年)
ROA目標3%以上(継続)
PBR目標1.0倍以上(株価意識経営)
自己資本活用有効活用・株主価値向上
配当方針安定配当継続(24円/株)
株主資本コスト5.0%を上回るROE維持
⑩ 競合他社比較
| 会社名 |
コード |
時価総額 |
PER |
PBR |
配当利回り |
ROE |
特徴 |
| コーセーアールイー |
3246 |
67.5億円 |
15.0倍 |
0.62倍 |
3.69% |
6.5% |
◎ PBR割安・高利回り |
| 三栄建築設計 |
3228 |
約330億円 |
約8倍 |
約1.5倍 |
約4% |
約18% |
戸建分譲・首都圏 |
| センチュリー21・ジャパン |
8898 |
約100億円 |
約12倍 |
約1.6倍 |
約4% |
約14% |
フランチャイズ仲介 |
| フージャース |
3284 |
約250億円 |
約9倍 |
約0.9倍 |
約3.5% |
約10% |
首都圏マンション |
| サンウッド |
3290 |
約60億円 |
約10倍 |
約0.7倍 |
約3% |
約8% |
中小型マンション |
※各社データは概算・直近参考値。
🔍 競合比較の考察
コーセーアールイーのPBR0.62倍は競合の中でも低水準。ROEが中期計画の7%達成に向け改善すれば、相対的にPBRが切り上がる余地が大きい。時価総額67.5億円のスモールキャップゆえ流動性リスクはあるが、総合利回り4.44%は競合との差別化要因。福岡という成長地盤と「グランフォーレ」ブランドの地元競争力は同社独自の強みである。
⑪ リスク分析
| リスク項目 |
レベル |
内容・影響 |
対策・緩和要因 |
| 業績の大幅変動リスク |
高 |
マンション引き渡しタイミングにより年次業績が大きく振れる。FY2025に▲80%急落の実績あり |
複数セグメントの多様化、ストック収益強化 |
| 金利上昇リスク |
高 |
住宅ローン金利上昇により顧客の購入意欲が低下。マンション需要に直撃するリスク |
資産運用型は金利恩恵も、福岡の実需は底堅い |
| 建設コスト・資材高騰 |
中 |
建設資材・労務費の高騰が粗利率を圧迫。特に大型物件の仕入コスト増が影響 |
価格転嫁、仕入の慎重化・選別強化 |
| スモールキャップ流動性リスク |
中 |
時価総額67.5億円のため売買が少なく、大口売買時の価格変動リスクが大きい |
長期保有・分散投資での対応が基本 |
| 福岡市場の競合激化 |
中 |
大手デベロッパーの福岡進出増加により、優良物件の仕入競争が激化 |
グランフォーレブランドの地元優位性・顧客関係 |
| 人口減少・不動産需要縮小 |
低 |
全国的な人口減少。ただし福岡市は国内唯一クラスの人口増加都市のため影響限定的 |
福岡は人口増・外国人需要も旺盛 |
⑫ アナリスト評価・市場見通し
PBR1倍時の株価
〜1,050円
現状比 +61%の余地
📊 ポジティブ要因
PBR0.62倍解散価値割れ・バリュー投資機会
総合利回り4.44%スモールキャップとして高水準
PBR1倍化目標経営の株価意識向上で上昇余地
福岡の成長国内トップクラスの人口増加市
自己資本比率54%業種平均を大幅上回る財務健全性
⚠️ ネガティブ要因
FY2027大幅減益予想OP▲29%・NP▲37%の見通し
ROEの低水準6.5%→目標7%未達が続く懸念
流動性リスク時価総額67億の小型株
業績変動の大きさサイクル悪化時の急落リスク
仕入競争激化大手の福岡参入増加
⑬ 総合投資評価
総合投資判断
★★★☆☆
PBR割安×高利回り「バリュー発掘候補」
コーセーアールイーはPBR0.62倍という「解散価値割れ」水準にあり、総合利回り4.44%(配当3.69%+優待0.76%)という高利回り銘柄。最低投資額65,100円という少額でも投資できる点も魅力。一方で時価総額67.5億円のスモールキャップであり、流動性リスクやマンション分譲特有の業績変動リスクが存在する。FY2027は大幅減益見通し(OP▲29%)だが、これは引き渡しサイクルの谷間であり、中期計画では2028〜2029年の増益回復を計画。「福岡No.1デベロッパー」ビジョンのもと、PBR1倍回復を目指すROE改善が実現すれば株価上昇余地(現在比+61%)は大きい。高利回りを享受しながら中期的な株価上昇を狙うバリュー投資家向けの銘柄といえる。
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