広島空港の歴史 HIJ/RJOA

広島空港の歴史をわかりやすく解説|旧空港から中四国の拠点空港へ発展した歩み

広島空港は、中国・四国地方を代表する空の玄関口のひとつです。現在は広島県三原市本郷町に位置し、国内線・国際線の両方を持つ拠点空港として多くの人に利用されています。

この記事では、旧広島空港の時代から新空港への移転、滑走路延伸、計器着陸施設の高度化、民間運営への移行までを順にたどりながら、広島空港がどのように発展してきたのかをわかりやすく解説します。

広島空港とは

広島空港は、広島県三原市本郷町善入寺にある空港で、中国・四国地方最大級の空港機能を持つ拠点空港です。3,000mの滑走路、9つのスポットを備えたエプロン、約31,000㎡の旅客ターミナルビル、約3,900㎡の貨物ターミナル施設などを有しており、国内外を結ぶ重要な交通インフラとなっています。

現在の広島空港は1993年に供用を開始した新空港です。広島市中心部からはやや離れた場所にありますが、その分、大型機や国際線にも対応しやすい本格的な拠点空港として整備されました。観光、ビジネス、物流、防災など多面的な役割を担う空港として、地域の発展を支えています。

広島空港の歴史年表

まずは、広島空港の歩みを年表で見てみましょう。旧空港時代から新空港の開港、滑走路延伸、設備高度化、民間運営開始までの流れがひと目でわかります。

広島空港の歴史年表。1961年の旧広島空港旅客ビル開業から2023年の台湾線復便までをまとめた縦型インフォグラフィック
広島空港の歴史年表(当サイト用オリジナル図版)

広島空港の歴史

旧広島空港の時代

広島空港の歩みをたどるうえで欠かせないのが、広島市西区にあった旧広島空港の存在です。1961年には広島空港ビルディング株式会社が設立され、同年9月には旅客ビルが竣工・開業しました。ここから、広島県の航空交通を支える空港としての歴史が本格化していきます。

ただし、旧空港は市街地に近い立地だったため、将来的な拡張や本格的な国際拠点化には制約がありました。そうした背景から、より高機能で大規模な新空港を県内に整備する構想が進められるようになります。

1993年、新広島空港として移転開港

広島空港にとって最大の転機となったのが、1993年10月29日の新空港開港です。旧広島空港から、現在の三原市本郷町善入寺の新空港へ移転し、本格的な拠点空港として新たなスタートを切りました。

この移転によって、より長い滑走路と大規模なターミナルを備えた空港として整備が進み、中国・四国地方の航空需要に対応できる体制が整いました。現在の広島空港の基盤は、この新空港移転によって築かれたといえます。

2001年、3,000m滑走路の供用開始

新空港開港後も整備は続き、2001年1月25日には3,000m滑走路の供用が始まりました。これにより、より大型の航空機や長距離路線への対応力が高まり、空港としての機能は大きく向上します。

3,000m滑走路の整備は、国内線だけでなく国際線や貨物輸送の可能性を広げる意味でも重要でした。広島空港が地域空港の枠を超え、中四国の広域拠点空港としての性格を強めていった象徴的な出来事です。

視界不良対策としての設備高度化

広島空港は山あいの立地にあるため、気象条件への対応が重要な課題でもありました。そのため、2008年6月には計器着陸施設がCAT-Ⅲaへ高度化され、さらに2009年7月にはCAT-Ⅲbまで高度化されました。

この整備によって、霧などによる視界不良時でも、より安定した離着陸が可能になりました。広島空港の歴史は、単に施設を大きくしてきた歴史ではなく、運航の安定性と信頼性を高めてきた歴史でもあります。

運用時間延長と安全対策の強化

2017年には空港の運用時間が15時間に延長され、朝夕の利便性が向上しました。さらに2021年以降は、滑走路端安全区域の整備が進められるなど、安全性をより高める取り組みも行われています。

こうした継続的な改善により、広島空港は単に大きな空港であるだけでなく、安心して利用しやすい空港としての質も高めてきました。

2021年、民間運営への移行

広島空港の歴史における近年の大きな節目が、2021年7月の民間運営開始です。広島国際空港株式会社が滑走路、旅客ターミナルビル、駐車場などを含めた一体運営を担うことになり、新たな段階へ入りました。

民間運営開始後は、非常用発電機の能力向上、立体駐車場の新設、レンタカーポートの整備など、安全性と利便性の向上に向けた取り組みが進められています。空港を単なる移動の場ではなく、地域の魅力を伝える拠点へ進化させようという方向性がより明確になっています。

近年の広島空港

新型コロナ禍では国際路線の運休が続く時期もありましたが、2023年1月には台湾線が復便し、国際線ネットワークの回復が始まりました。国内線も回復が進み、広島空港は再び中四国の交流拠点としての存在感を高めています。

現在の広島空港は、国内外の人流を支える交通拠点であると同時に、広島・瀬戸内・山陰エリアの魅力を国内外へ発信する入口でもあります。歴史を振り返ると、その役割は年々広がってきたことがわかります。

広島空港の歴史からわかる特徴

1.旧市街地空港から本格的な拠点空港へ移行した空港

広島空港の大きな特徴は、市街地近接型の旧空港から、広域拠点としての新空港へ移行した点にあります。移転によって、規模や機能、将来性の面で大きく飛躍しました。

2.中国・四国地方最大級の規模を持つ空港

3,000m滑走路や大規模ターミナルを備える広島空港は、中国・四国地方最大級の施設規模を持っています。地方空港でありながら、広域交通の中心を担う実力を備えています。

3.気象条件に対応する高い運航信頼性

CAT-Ⅲbまで高度化された計器着陸施設は、広島空港の大きな強みです。視界不良時の欠航や遅延を減らすための設備投資が進められてきたことで、利用者にとっての信頼性が高まりました。

4.民間運営による進化を続ける空港

2021年からの民間運営によって、広島空港はさらに変化を続けています。従来のインフラ機能に加え、商業機能やサービス性を高める空港へ進化している点も現在の特徴です。

広島空港が果たしている役割

広島空港は、広島県内の移動を支えるだけでなく、中国・四国地方全体の航空需要を受け止める広域拠点として機能しています。観光、ビジネス、帰省、物流など、地域の社会経済活動を支える基盤として重要です。

また、広島・瀬戸内エリアを訪れる旅行者にとっては、空港が旅の第一印象を決める入口でもあります。空港機能の充実は、地域ブランドや観光振興にも直結しています。

さらに、民間運営によるサービス改善や施設更新が進んでいることから、広島空港は今後も地域の成長戦略の一部として大きな役割を果たしていくと考えられます。

まとめ

広島空港の歴史は、旧広島空港の時代から始まり、1993年の新空港移転開港、2001年の3,000m滑走路供用、計器着陸施設の高度化、そして2021年の民間運営開始へと続いてきました。

その歩みをたどると、広島空港は単なる地方空港ではなく、中国・四国地方の交流と発展を支える重要な拠点空港として育ってきたことがわかります。歴史を知ることで、現在の広島空港が持つ価値や、これからの可能性もより見えやすくなります。

参考資料

この記事を書いた人

航空会社で働く地上さんです
やりがい搾取と言われる航空業界ですが、個人的にはどハマりしています
異動を重ねて色々な経験をした私がやさしく解説する航空教室です

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