シグメット情報(SIGMET) をやさしく解説

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SIGMET / SIGNIFICANT METEOROLOGICAL INFORMATION

シグメット情報(SIGMET) をやさしく解説

こんにちは、航空会社で働く地上さんです。今回は、航空気象の中でも運航に直結する情報のひとつ、 SIGMET(シグメット情報)について解説します。METARやTAFが空港ごとの実況・予報を見る情報なのに対して、 SIGMETは空域全体に大きな影響を与える危険な気象現象を知らせる情報です。しかもSIGMETは文字だけでなく、 実際の画像で見ると位置関係がかなり分かりやすくなります。今回はその両方をまとめて見ていきます。 [Source](https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kouku/3_yohou/32_kuuiki/32_kuuiki.html)

役割
空域の危険情報

航空機の運航に大きく影響する危険な現象が、観測または予想されたときに出されます。

対象
福岡FIR

日本では、福岡飛行情報区を対象にSIGMETが発表され、国内外の関係機関へ提供されます。

ポイント
電文+画像で見る

電文だけでは分かりにくい範囲や位置関係も、画像と合わせるとかなり理解しやすくなります。

SIGMET とは?

気象庁の説明では、SIGMETは福岡FIRの空域を対象に、航空機の運航に大きな影響をもたらす気象などの現象が観測または予想される場合に発表される空域気象情報です。 具体的には、強い乱気流、強い着氷、雷電、台風、火山灰の拡散などが対象で、その現象の広がり・高度・移動速度・予想期間を示して注意を喚起します。 [Source](https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kouku/3_yohou/32_kuuiki/32_kuuiki.html)

気象庁の航空気象情報トップでも、SIGMETは「空域の情報」として整理されています。つまり、SIGMETは空港1か所の天気ではなく、 航空路や広い空域で危険な現象がどこにあるかを見るための情報だと考えると分かりやすいです。 [Source](https://www.data.jma.go.jp/airinfo/index.html)

福岡FIR って何?

SIGMETを読むうえでよく出てくるのが「FIR」です。FIRは Flight Information Region(飛行情報区) のことで、各国の航空管制機関が航空情報業務や管制の責任を受け持つ空域を指します。 日本では航空交通管理センターが福岡市にあるため、担当空域は福岡FIRと呼ばれています。 [Source](https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kouku/3_yohou/32_kuuiki/32_kuuiki.html)

日本が航空管制の責任を受け持つ福岡FIRの説明図
図:気象庁が示す福岡FIRのイメージ図。SIGMETはこの空域を対象に発表されます。
出典: 気象庁「空域に関する気象情報」

どんな現象が対象になるの?

現象 意味
SEV TURB 強い乱気流
SEV ICE 強い着氷
TS / FRQ TS 雷電・頻繁な雷雨
TC 台風を含む熱帯低気圧
VA 火山灰

気象庁は、雷電、台風、乱気流、着氷、火山灰の拡散などに対してSIGMETを発表すると説明しています。空港の雨や曇りを知らせるというより、 航空機の安全性や快適性に強く影響する危険現象を扱うのがSIGMETの役割です。 [Source](https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kouku/3_yohou/32_kuuiki/32_kuuiki.html)

実際の SIGMET画像 を見てみる

気象庁のSIGMETページでは、現在有効なSIGMETが地図上に表示されます。ページ上では 「本州付近を拡大表示」「南西諸島付近を拡大表示」「福岡FIR全体を表示」と案内されており、 地図で危険現象の場所を把握できるようになっています。 [Source](https://www.data.jma.go.jp/airinfo/data/awfo_sigmet.html)

気象庁が公開しているSIGMET画像
図:気象庁が公開している現在のSIGMET画像。クリックすると 気象庁のSIGMET掲載ページ に移動します。
画像URL: QGMA98.png

この図では、危険現象の領域が色付きの枠や記号で示され、右上には対応するSIGMET電文が表示されます。文字だけでは座標の並びに見える情報も、 地図に重ねることで「どの海域・どの空域に危険があるのか」がかなり直感的に分かります。なお、この画像は気象庁の最新情報を直接参照しているため、 記事を開く時刻によって内容は変わります。 [Source](https://www.data.jma.go.jp/airinfo/data/awfo_sigmet.html) [Source](https://www.data.jma.go.jp/airinfo/data/pict/sigmet/QGMA98.png)

SIGMET電文の読み方

SIGMETは電文形式でも配信されます。掲載時点の画像右上には、たとえば次のような電文が表示されていました。これは画像から読み取れる一例で、 時刻が変われば内容も更新されます。 [Source](https://www.data.jma.go.jp/airinfo/data/pict/sigmet/QGMA98.png)

WSJP31 RJTD 170345
RJJJ SIGMET X01 VALID 170345/170745
RJTD-
RJJJ FUKUOKA FIR SEV TURB FCST WI N3329 E13150 - N3558 E13137 - N3749 E14042 - N3449 E14040 - N3329 E13150
FL310/370 MOV E 30KT INTSF=
記号 意味
WSJP31 RJTD 170345 通信識別・発信局・17日03:45UTC発信
RJJJ SIGMET X01 福岡FIR向けのSIGMET、通番X01
VALID 170345/170745 17日03:45UTCから07:45UTCまで有効
FUKUOKA FIR 対象空域は福岡FIR
SEV TURB FCST 強い乱気流が予想される
WI 座標列 その座標で囲まれた範囲内で現象が発生する
FL310/370 飛行高度310〜370付近の層
MOV E 30KT 東へ30ノットで移動
INTSF 強まる見込み

つまりこの一例は、福岡FIRのある範囲で、FL310〜370に強い乱気流が予想され、その領域が東へ30ノットで移動し、さらに強まる見込み だと読めます。SIGMETの本文は一見難しそうですが、実際には「どこで・何が・どの高度で・どちらへ・どう変化するか」を並べているだけです。 [Source](https://www.data.jma.go.jp/airinfo/data/pict/sigmet/QGMA98.png)

もうひとつの例:雷電系のSIGMET

同じ画像には、雷電に関する別のSIGMETも表示されていました。右上の電文から読み取れる別例では、 FRQ TSTOP FL510STNRNC といった語が確認できます。 [Source](https://www.data.jma.go.jp/airinfo/data/pict/sigmet/QGMA98.png)

表現 意味
FRQ TS 頻繁な雷雨
TOP FL510 現象の頂高度がFL510付近まで達する
STNR 停滞
NC 大きな変化なし

こうして見ると、SIGMETは単に「悪天あり」と知らせるだけでなく、現象の種類・高さ・移動・変化傾向まで短い英略語でまとめていることが分かります。 慣れてくると、電文からかなり具体的な空の様子が想像できるようになります。 [Source](https://www.data.jma.go.jp/airinfo/data/pict/sigmet/QGMA98.png)

METAR・TAF・FBJPとの違い

情報 主な対象 役割
METAR 空港 現在の実況
TAF 空港 空港の予報
FBJP 空域 広域の悪天予想図
SIGMET 空域 運航に大きな影響を与える危険現象への警戒情報

国土交通省の小型機運航者向け資料でも、飛行前には広い範囲の気象概況を把握し、出発直前にはMETARやTAFなどの最新情報で再確認することが大切だと示されています。 その中でSIGMETは、空港の天気だけでは拾えない「航路上の危険」を補う情報として考えると位置づけがつかみやすいです。 [Source](https://www.mlit.go.jp/common/001379379.pdf)

SIGMETを見るときのコツ

  1. まず現象の種類を見る(乱気流・着氷・雷・火山灰など)
  2. 次に、対象範囲が自分の経路や周辺空域にかかるか確認する
  3. 高度帯を見る(どのフライトレベルに影響するか)
  4. MOV や STNR で移動有無を見る
  5. INTSF / NC / WKN などで変化傾向を見る

初心者は、いきなり全文を完璧に訳そうとするより、「何が・どこで・どの高さで・どう動くか」の4つを拾うだけでもかなり理解しやすくなります。

まとめ

SIGMETは、航空機の運航に大きく影響する危険現象を、空域ベースで知らせる重要な情報です。電文だけを見ると難しそうですが、 実際は現象・範囲・高度・移動・変化傾向を短くまとめたものです。そして、画像とあわせて見ることで一気に理解しやすくなります。 METARやTAFで空港を見る、FBJPで広域の悪天をつかむ、その上でSIGMETで危険現象を具体的に確認する。こう並べて考えると、航空気象のつながりがかなり見えてきます。 [Source](https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kouku/3_yohou/32_kuuiki/32_kuuiki.html) [Source](https://www.mlit.go.jp/common/001379379.pdf)

この記事を書いた人

航空会社で働く地上さんです
やりがい搾取と言われる航空業界ですが、個人的にはどハマりしています
異動を重ねて色々な経験をした私がやさしく解説する航空教室です

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