雷監視システム をやさしく解説
こんにちは、航空会社で働く地上さんです。
今回は、気象庁が提供している 雷監視システム について、できるだけやさしく整理していきます。
航空気象の世界では、雷は空の中だけでなく、空港で働く地上作業員や乗員乗客の安全にも大きく関わります。雷監視システムは、雷がいつ・どこで発生したか を素早く把握するための仕組みで、空港における地上作業の安全確保や、航空機の安全運航に有効に利用されています。気象庁ではこのシステムを LIDEN(LIghtning DEtection Network system) と呼んでいます。[Source]
雷監視システム とは?
雷監視システムは、雷により発生する電波を受信し、その 位置、発生時刻 などの情報を作成するシステムです。航空分野では、この情報を航空会社などに直ちに提供することで、空港における地上作業の安全確保 や 航空機の安全運航 に活用しています。[Source]
雷には大きく分けて、雲放電(雷雲の中や雲と雲の間で起きる放電)と、対地放電(雷雲と地面の間の放電、いわゆる落雷)があります。雷監視システムは、これらの雷に伴って発生する電磁波の特徴を利用して観測を行います。ラジオを聞いていると雷の近くで「バリバリ」と雑音が入ることがありますが、あれも雷に伴う電磁波の影響です。[Source]
何で構成されているのか
気象庁の説明では、雷監視システムは 雷に伴って発生する電磁波を受信する検知局 と、検知局からのデータを集めて雷の発生位置などを決定する中央処理局 で構成されています。検知局は 全国30か所の空港に設置 されており、受信した信号に高精度の時刻情報を加えて、瞬時に中央処理局へ伝送します。中央処理局ではその情報をもとに、雷の種類(雲放電・対地放電)や発生位置を自動的に算出(標定) します。[Source]
実際の利用先はどこか
気象庁の 航空気象情報ページでは、実況・解析情報の中で 雷監視システム が案内されており、リンク先は 高解像度降水ナウキャスト になっています。つまり、利用者は単に「雷が観測された」というだけでなく、実際には雷の実況や周辺の降水状況も含めて確認していく流れになります。[Source]
雷ナウキャスト との関係
雷ナウキャストは、雷の激しさ や 雷の可能性 を 1km格子単位 で解析し、その 1時間後(10分~60分先)まで を予測する情報で、10分毎 に更新されます。雷の解析は、雷監視システムによる雷放電の検知 とレーダー観測などをもとに行われ、活動度1~4で表されます。つまり、雷監視システムは雷ナウキャストの重要な基礎データのひとつです。[Source]
| 情報 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| 雷監視システム(LIDEN) | 雷の発生位置・発生時刻などを実況監視する | 雷に伴う電磁波を受信して標定する |
| 雷ナウキャスト | 雷の可能性や激しさを解析・予測する | 1km格子・10分毎更新・1時間先まで予測 |
どう解析して活用するか
地上作業の安全判断や、空港周辺の危険把握の入口になります。
同じ場所で続いているのか、空港へ近づいているのか、離れていくのかを判断しやすくなります。
実況だけでなく、これから1時間程度の見通しを合わせて確認することで、より実務的に使いやすくなります。
METAR、TAF、SIGMET、レーダー画像などと組み合わせることで、空港・空域・時間変化を立体的に把握できます。
見るときの注意点
気象庁は、雷監視システムの標定には電磁波の受信結果を使っているため、誤標定 や 位置誤差 が生じることがあり、また 標定されない場合 もあると案内しています。また、LIDENで受信する電磁波は到達距離が長いため、日本列島沿岸から遠く離れた領域にも標定する場合があり、検知局から遠いほど標定精度は低下する ことに注意が必要です。[Source]
つまり、雷監視システムはとても便利な情報ですが、単独で絶対視するのではなく、他の実況・解析情報とあわせて使う のが基本です。
まとめ
雷監視システム は、雷により発生する電波を受信し、その位置や発生時刻などを把握する仕組みです。航空分野では、空港における地上作業の安全確保 や 航空機の安全運航 のために重要な情報として使われています。[Source]
また、この情報は 雷ナウキャスト の解析にも活用されており、実況だけでなく短時間先の見通しを確認するときにもつながっていきます。最初は、雷の発生位置を見る → 近づいているかを見る → 雷ナウキャストで見通しを見る という順番で使うと分かりやすいです。[Source]
参考:雷監視システムによる観測 / 雷監視システム / 航空気象情報 / 雷ナウキャストとは

コメント