TAF / AERODROME FORECAST
空港の予報を伝えるTAFをやさしく解説
こんにちは、航空会社で働く地上さんです。今回は、空港の予報を知らせる「TAF(タフ)」について、できるだけやさしく整理していきます。 METARが「今この瞬間の空港の天気」なら、TAFは「これから先の空港の天気予報」です。運航判断にかかわる大事な情報ですが、並び順さえ分かれば初心者でもかなり読みやすくなります。
TAFは、飛行場ごとの将来の気象を一定期間まとめた予報です。
パイロット、運航管理者、管制、整備などが先の天候を読むために使います。
まず基本の予報を読み、そのあとにFMやBECMGなどの変化を見ると分かりやすいです。
TAFとは?
TAFは Terminal Aerodrome Forecast の略で、日本語では「運航用飛行場予報」です。気象庁の航空気象通報式では、TAFには少なくとも 風・視程・天気・雲(または鉛直視程) を含めるとされており、将来の変化が見込まれる場合は、そのあとに変化群を追加して表します。 出典
また、TAFの有効時間は一般に24時間または30時間で、発表時刻と「いつからいつまで有効か」を見れば、どの時間帯の予報なのかを確認できます。 出典
METARとの違い
| 項目 | METAR | TAF |
|---|---|---|
| 意味 | 現在の実況 | これから先の予報 |
| 見る目的 | 今の空港の状態確認 | 到着・出発時刻帯の見通し確認 |
| 特徴 | 観測値が中心 | 時間帯ごとの変化予想が中心 |
ざっくり言えば、METARは「今どうなっているか」、TAFは「この先どうなりそうか」です。運航の現場では、両方をセットで見て判断するのが基本です。 出典
TAFで読める主な項目
| 項目 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| 空港コード | RJTT | 対象空港 |
| 発表時刻 | 162305Z | 16日23:05UTCに発表 |
| 有効時間 | 1700/1806 | 17日00UTC〜18日06UTCが予報対象 |
| 風 | 05008KT | 風向050度から8ノット |
| 視程 | 9999 | 10km以上 |
| 雲 | FEW030 | 雲量1〜2/8、高度3000ft |
| 変化群 | BECMG 1706/1708 | 17日06〜08UTCの間に変化 |
基本形は「空港・発表時刻・有効時間・風・視程・天気・雲」で、そのあとに必要に応じて変化群が続きます。 気象庁 / NWS TAF Card
まず覚えたい変化グループ
FM
その時刻から、はっきり新しい条件に切り替わると考えるグループです。
BECMG
指定された時間帯のあいだに、だんだんその状態へ変わっていく予報です。
TEMPO
一時的に起こる変化です。ずっと続くわけではない、と読むのがポイントです。
PROB30 / PROB40
その時間帯に、30%または40%の確率でその現象が起こる見込みを示します。
特に初心者は、まずFM=切り替わる、BECMG=徐々に変わる、TEMPO=一時的と覚えるとかなり読みやすくなります。 出典
実際のTAFを読んでみる
たとえば羽田空港(RJTT)の例として、以下のようなTAFが掲載されていました。内容は時点によって更新されるので、ここでは「読み方の例」として見てください。 出典
TAF RJTT 162305Z 1700/1806 05008KT 9999 FEW030 BECMG 1706/1708 12010KT BECMG 1712/1715 01004KT BECMG 1800/1803 13006KT
| 記号 | 読み方 |
|---|---|
| TAF RJTT | 羽田空港のTAF |
| 162305Z | 16日23時05分UTC発表 |
| 1700/1806 | 17日00UTCから18日06UTCまで有効 |
| 05008KT | 050度から8ノットの風 |
| 9999 | 視程10km以上 |
| FEW030 | 3000ftに少ない雲 |
| BECMG 1706/1708 12010KT | 17日06〜08UTCの間に、風が120度10ノットへ変化 |
| BECMG 1712/1715 01004KT | 17日12〜15UTCの間に、風が010度4ノットへ変化 |
| BECMG 1800/1803 13006KT | 18日00〜03UTCの間に、風が130度6ノットへ変化 |
TAFの読み順はこの順でOK
- どの空港の予報かを見る
- 何時に発表されたかを見る
- いつからいつまで有効かを見る
- 最初の基本予報(風・視程・天気・雲)を読む
- そのあとにFM / BECMG / TEMPO / PROBがあるか確認する
- 自分が出発・到着する時間帯に何が起こる予報かを拾う
TAFは一見長く見えますが、実際には「基本の予報」と「その後の変化」に分けて読むだけです。最初から全部を一気に訳そうとしないのがコツです。
初心者が気をつけたいポイント
- TAFは予報なので、実際の空港状況はMETARで確認する
- UTC表記なので、日本時間に直すときは通常9時間足す
- BECMGは「だんだん変わる」、TEMPOは「一時的」と区別する
- 9999は「かなり見える」という意味で、初心者はまず10km以上と覚えればOK
- 運航判断はTAF単独ではなく、METARや他の航空気象情報と合わせて見る
気象庁の航空気象情報ページでは、TAF以外にも飛行場気象解説情報や各種資料が確認できます。 航空気象情報トップ
まとめ
TAFは、空港の将来の天気を読むための大切な予報です。最初は難しそうに見えても、空港名 → 発表時刻 → 有効時間 → 基本予報 → 変化群の順に追えば、 かなり整理して読めるようになります。METARで「今」を見て、TAFで「これから」を見る。このセットで覚えると、航空気象の理解が一気に進みます。

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