やさしいMETAR解説

空港の現在天気を伝えるMETARをやさしく解説
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空港の現在天気を伝える METAR をやさしく解説

こんにちは、航空会社で働く地上さんです。今回は航空気象の基本として、空港の現在の天気を知るときに必ず出てくる「METAR」について解説していきます。予約画面や一般的な天気予報ではあまり見ない表記ですが、航空の世界ではとても重要です。地上職でも運航やイレギュラー対応に関わると、見方を知っているだけで理解の深さがかなり変わります。

METARの役割
空港の現在実況
主な利用者
運航・管制・現場
最重要ポイント
予報ではなく実況

METARとは何か

METARは、空港の「いまこの瞬間に近い天気」を定型のコードで通報する航空気象の基本情報です。気象庁の航空気象通報式では、空港名、観測時刻、風、視程、現在天気、雲、気温・露点、気圧などを一定の順序で並べて通報する仕組みとして定められています。つまり、METARを読めるようになると、空港の現状を短い電文からかなり具体的に把握できるようになります。[Source]

気象庁の資料では、METARは定時観測通報、SPECIは特別観測通報として扱われています。ざっくり言うと、METARは決まったタイミングで出る定時の実況、SPECIは天気が大きく変わったときに追加で出る臨時の実況です。まずは「METAR=現在の定時実況」「TAF=将来の予報」と切り分けて覚えると混乱しにくいです。[Source]

METARで何が分かるのか

  • どの空港の情報か
  • いつ観測した情報か(UTC)
  • 風向・風速・突風
  • どれくらい見えるか(視程)
  • 雨・雪・霧などの現在天気
  • 雲の量と高さ
  • 気温・露点温度
  • 気圧設定値(QNH)

つまりMETARは、飛ぶ・降りる・地上でさばく、のすべてに関わる基礎情報です。特に視程、雲底、風、気圧は運航判断や遅延・欠航の背景理解にも直結します。一般利用者向けの「晴れ/くもり/雨」というざっくりした表現より、はるかに運航寄りの情報だと考えると分かりやすいです。[Source]

METARの基本の並び

気象庁の通報式と米国のMETAR解説資料を合わせて見ると、METARはおおむね次の順番で並びます。順番を覚えてしまえば、長い英数字でもかなり読みやすくなります。[Source] [Source]

順番 項目 意味
1 報告種別 METAR / SPECI 定時か、特別観測か
2 空港識別子 RJTT ICAO4レター。羽田ならRJTT
3 観測日時 130600Z 13日06:00 UTC
4 修飾語 AUTO 自動観測
5 19012KT 190度から12ノット
6 視程 9999 10km以上
7 現在天気 -RA / BR / FG 弱い雨、もや、霧など
8 FEW030 / BKN020 雲量と雲底高度
9 気温・露点 21/15 気温21℃、露点15℃
10 気圧 Q1014 QNH 1014hPa
11 補足 NOSIG / RMK 有意な変化なし、備考

実際のMETARを1本読んでみる

取得例として、Aviation Weather Centerの検索結果には、羽田空港 RJTT のMETARが次のように表示されていました。これは執筆時点で取得できた一例で、時間が変わればもちろん内容も変わります。[Source]

METAR RJTT 130600Z 19012KT 9999 FEW030 BKN/// 21/15 Q1014 NOSIG
電文 読み方
METAR 定時の実況通報です。
RJTT 羽田空港の4レターです。
130600Z 13日06:00 UTC の観測です。日本時間なら基本的に9時間足して考えます。
19012KT 190度から12ノットの風です。
9999 視程10km以上です。かなり見えている状態です。
FEW030 少し雲があり、雲底は約3000ftです。
BKN/// 雲量は多めですが、高さ情報が省略・不明の形です。
21/15 気温21℃、露点15℃です。
Q1014 QNH 1014hPaです。
NOSIG 短時間内に有意な変化は予想されていない、という意味です。

初心者が最初に覚えたい略号

9999

視程10km以上です。気象庁の通報式でも「10km以上は9999」と報じるとされています。[Source]

Q1013

QNH 1013hPaの意味です。QのあとにhPaの値が続きます。[Source]

AUTO

人手を介さない完全自動観測を表します。最近は自動METARの空港も多く、見慣れる略号です。[Source]

NOSIG

有意な変化なしです。短時間で大きな変化が予想されないときに使われます。[Source]

雲量略号 意味 イメージ
FEW 1〜2オクタス 少しだけ雲がある
SCT 3〜4オクタス 散在する雲
BKN 5〜7オクタス かなり雲が多い
OVC 8オクタス 空全体を覆う

FEW、SCT、BKN、OVC は雲量を8分雲量で表した略号です。航空の現場では「雲がある」だけではなく、どの程度空を覆っているかが大切なので、このあたりは早めに覚えておくとMETARがかなり読みやすくなります。[Source]

METARを見るときの読み取り順

  1. まず空港コードを見る
  2. 次に観測時刻が新しいかを見る
  3. 風向風速を見る
  4. 視程を見る
  5. 現在天気を見る
  6. 雲量と雲底を見る
  7. 最後に気温・露点・QNHを見る

いきなり全部を完璧に読もうとすると難しく感じますが、順番を固定するとかなり楽です。特に現場では「風どう?」「視程どう?」「雲底どう?」のように、必要な項目から先に拾うことが多いので、まずは重要項目から読めるようになれば十分です。[Source]

METARだけで判断しないことも大事

METARはあくまで実況です。今どうなっているかを知るには非常に強いですが、この先どう変わるかまではそれだけでは分かりません。だから実務では、METARに加えて TAF、飛行場時系列予報、飛行場気象解説情報などを併せて見ます。気象庁の航空気象情報ページでも、空港の実況だけでなく予報や解説情報をまとめて提供しています。[Source]

特に、降雪・霧・雷・風の急変などが絡むと、METARの1本だけでは背景を読み切れないことがあります。そんなときは、飛行場気象解説情報や時系列予報まで見ると、現場で起きていることがかなり理解しやすくなります。[Source]

自動METARの注意点

  • 自動観測は客観的で継続性が高い
  • 一方で、目視観測と差が出る場合がある
  • 雷電以外の空港周辺現象を拾い切れない場合がある
  • 固形降水の種類判別には限界がある
  • 不明点はカメラ画像や追加情報とあわせて確認するのが大事

気象庁は、自動METAR/SPECI報について、従来の目視観測と比べて客観的に滑走路付近の状態を通報できる一方、機器観測ならではの限界もあると説明しています。つまり「METARにそう書いてあるからそれがすべて」ではなく、必要に応じて他の情報も合わせて見る姿勢が大事です。[Source]

まとめ

METARは、空港の現在の天気を短いコードで正確に伝えるための航空気象情報です。最初は英数字のかたまりに見えますが、順番を知ってしまえば、風・視程・天気・雲・気温・気圧を一気に読める便利な情報だと分かってきます。まずは 空港コード → 時刻 → 風 → 視程 → 天気 → 雲 → 気温露点 → QNH の順に追う練習がおすすめです。[Source]

次に見るなら、METARとセットで出てくる TAF が一番おすすめです。METARが「いま」、TAFが「これから」を担当するので、この2つが読めるようになると航空気象の入口としてかなり強くなります。[Source]

この記事を書いた人

航空会社で働く地上さんです
やりがい搾取と言われる航空業界ですが、個人的にはどハマりしています
異動を重ねて色々な経験をした私がやさしく解説する航空教室です

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