トーイングトラクターとは?コンテナドーリーやバルクカートを牽引する車両をやさしく解説

空港のお仕事

トーイングトラクターとは?
コンテナドーリーやバルクカートを牽引する車両をやさしく解説

こんにちは、航空会社で働く地上さんです。

空港では、手荷物や貨物が勝手に飛行機まで移動するわけではありません。ターミナルや貨物エリアから、コンテナドーリーやバルクカートを引っ張って、航空機のそばまで運ぶ車両が走り回っています。それが トーイングトラクター です。北海道庁では「荷物を運ぶのがトーイングトラクターです。牽引するものにはバルクカート、コンテナドーリーなどがあります」と紹介されており、まさに空港物流の足となる存在です。 [Source]

トーイングトラクター
トーイングトラクター。空港内でバルクカートやコンテナドーリーなどを牽引し、荷物を運ぶ車両です。画像出典:北海道庁
まず結論
トーイングトラクターは、空港内で手荷物や貨物を運ぶために、コンテナドーリーやバルクカートを牽引する車両です。飛行機そのものを動かすトーイングカーとは別の役割を持ち、ランプ業務の流れを止めないための重要な“はたらく車”です。 [Source] [Source]

目次

  1. トーイングトラクターとは?
  2. 何を牽引する車両なのか
  3. トーイングトラクターの主な仕事
  4. トーイングカーとの違い
  5. ベルトローダーやハイリフトローダーとの違い
  6. 空港でよく見かける理由
  7. まとめ

1.トーイングトラクターとは?

トーイングトラクターは、空港内で荷物を運ぶための牽引車です。北海道庁のページでは、バルクカートやコンテナドーリーなどを牽引する車両として紹介されています。つまり、トーイングトラクター自身が荷物を大きく積むというより、荷物を載せたカートやドーリーを引っ張ることで、空港の物流を支える役割を担っています。 [Source]

セントレアGSEサービスでも、トーイングトラクターは「貨物コンテナをけん引する作業車両」と説明されています。空港によって表現は少し違っても、役割の中心は同じです。荷物や貨物を、必要な場所へ確実に届けること。それがトーイングトラクターの仕事です。 [Source]

2.何を牽引する車両なのか

トーイングトラクターがドーリーを牽引する様子
トーイングトラクターの牽引風景。荷物を載せたドーリー類を連ねて空港内を移動します。画像出典:北海道庁

トーイングトラクターが牽引する代表的なものは、コンテナドーリーバルクカート です。コンテナドーリーは、ULDコンテナなどを載せて運ぶ台車で、貨物や手荷物がまとめて搭載されていることが多いです。バルクカートは、バラ積みの手荷物や小口の荷物を運ぶときに使われます。北海道庁の公開情報でも、この2つが具体例として挙げられています。 [Source]

トラクターとドーリー
トラクター+ドーリー(コンテナ牽引車+コンテナ運搬台車)。国土交通省のページでは「コンテナを運ぶムカデみたいな車」と紹介されています。画像出典:国土交通省 東北地方整備局 塩釜港湾・空港整備事務所

国土交通省 東北地方整備局 塩釜港湾・空港整備事務所の「空港で働く車」では、トラクター+ドーリー(コンテナ牽引車+コンテナ運搬台車)を「コンテナを運ぶムカデみたいな車」と、とてもわかりやすく紹介しています。空港で長く連なって走る車列を見かけたら、その先頭にいるのがトーイングトラクターであることが多いです。 [Source]

3.トーイングトラクターの主な仕事

手荷物をターミナルから機体へ運ぶ

JALの記事では、トーイングトラクターはお客さまの手荷物を空港ターミナルから機体へ運ぶ車両として紹介されています。まさに空港内の物流をつなぐ存在です。 [Source]

貨物を運ぶ

手荷物だけでなく、航空貨物の搬送にも使われます。セントレアGSEサービスでは、貨物コンテナをけん引する作業車両と説明されています。 [Source]

ランプ内を走り回る

JALの記事では、トーイングトラクターは空港内にある車の中でもっとも台数が多く、空港中を走り回る働きものだと紹介されています。ランプ業務の基本車両といってよい存在です。 [Source]

地上ハンドリングの流れをつなぐ

荷物が現場に届かなければ、ベルトローダーやハイリフトローダーも仕事ができません。トーイングトラクターは、積み込み作業の前段階を支える重要な役割を持っています。 [Source]

JALのトーイングトラクター
トーイングトラクター。空港内で最も台数が多い車両のひとつとして紹介されています。画像出典:OnTrip JAL

4.トーイングカーとの違い

似た名前でも、動かす相手が違います

トーイングトラクターとトーイングカーは、名前が似ているので混同しやすいですが、役割はまったく違います。トーイングトラクターは、コンテナドーリーやバルクカートを引っ張って、荷物や貨物を運ぶ車です。これに対してトーイングカーは、飛行機そのものを押したり引いたりして移動させる車両です。 [Source]

車両名 何を動かすか 主な役割
トーイングトラクター コンテナドーリー、バルクカートなど 手荷物・貨物の搬送
トーイングカー
(航空機牽引車)
飛行機そのもの 機体の牽引・押し出し・誘導

迷ったときは、「飛行機を動かすのがトーイングカー」「荷物を載せた台車を引くのがトーイングトラクター」 と覚えると整理しやすいです。 [Source]

5.ベルトローダーやハイリフトローダーとの違い

トーイングトラクターとよく一緒に見かけるのが、ベルトローダーやハイリフトローダーです。ただし、この3つは役割が違います。北海道庁の説明では、ハイリフトローダーは航空機への荷物の積み卸しに使う車両、ベルトローダーはベルトコンベアを備えて荷物の積み卸しに使う車両です。一方、トーイングトラクターは、それらの現場まで荷物を“運ぶ”ための車両です。 [Source]

トーイングトラクター

荷物を載せたドーリーやカートを牽引して運ぶ。

ベルトローダー

ベルトコンベアで荷物を貨物室へ送る。

ハイリフトローダー

コンテナなどを高い位置まで持ち上げて機体へ積み込む。

流れで見ると

運ぶ → そばまで届ける → 積み込む、という工程の最初を支えるのがトーイングトラクター。

セントレアのトーイングトラクター
セントレアGSEサービスのトーイングトラクター。貨物コンテナをけん引する作業車両として紹介されています。画像出典:セントレアGSEサービス

6.空港でよく見かける理由

JALの記事では、空港内にある車の中でもっとも台数が多いのがトーイングトラクターだと紹介されています。手荷物も貨物も、飛行機のところまで運ばなければならない以上、この車両は空港中を何度も往復する必要があります。そのため、ランプエリアでは非常によく見かける存在です。 [Source]

さらにJALの記事では、グランドハンドリングスタッフが最初に取る資格の一つが、トーイングトラクターの操作資格であるとも紹介されています。それだけ基本的で、現場の仕事に直結する車両ということです。 [Source]

自動運転トーイングトラクター
自動運転トーイングトラクター。空港では最新技術を活用した運用・実証も進められています。画像出典:OnTrip JAL
地上さんメモ
ランプを見ていると、派手で大きい車両に目が行きがちですが、実は空港の流れを止めないために地道に動いているのがトーイングトラクターです。目立ちすぎないけれど、いないと現場が回らない。そんな存在です。

7.よくある疑問

トーイングトラクターは飛行機を引っ張る車ですか?

基本的には違います。トーイングトラクターは、コンテナドーリーやバルクカートなど、荷物を載せた台車を引っ張る車両です。飛行機そのものを動かすのは、航空機牽引車やプッシュバックトラクターと呼ばれる別の車両です。 [Source] [Source]

なぜ台車に積まず、トラクターで牽引するのですか?

空港では荷物量や便数が多く、複数のドーリーやカートをまとめて動かす必要があります。トーイングトラクターで牽引することで、効率よく手荷物や貨物を運べます。国土交通省のページの「トラクター+ドーリー」のイメージを見ると、空港物流の実際が想像しやすいです。 [Source]

空港で見やすい車両ですか?

はい。JALの記事でも、空港内で最も台数が多い車両のひとつとして紹介されている通り、比較的目にしやすいGSEです。展望デッキやターミナルから、長く連なったドーリーを引いて走る姿が見えることがあります。 [Source]

まとめ

  • トーイングトラクターは、コンテナドーリーやバルクカートを牽引して荷物を運ぶ車両
  • 飛行機を動かすトーイングカーとは役割が違う
  • ベルトローダーやハイリフトローダーが積み込む前段階を支えている
  • 空港内では台数が多く、物流を止めないための重要な“はたらく車”である
  • 目立ちにくいが、空港の地上業務を支える主役のひとつ

トーイングトラクターは、空港の中で手荷物や貨物を絶えずつなぎ続ける車両です。次に空港へ行くときは、機体の近くで長いドーリー列を引いて走る車に注目してみてください。空港の流れがどう作られているのか、きっと見え方が変わるはずです。

この記事を書いた人

航空会社で働く地上さんです
やりがい搾取と言われる航空業界ですが、個人的にはどハマりしています
異動を重ねて色々な経験をした私がやさしく解説する航空教室です

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